10月に「競馬ド素人でも儲かる予想法<マナブ馬券術>」という記事を、書かせていただきました。
今回は「マナブ馬券術」の経過報告と、実践記録です。
まず、マナブ馬券術の買い方のルールを、再度確認します。
ルール:G1を除くOP特別以上戦で「酒井学騎手」が出走したレース
買い方=酒井学騎手の馬の全複勝1万円
記事発表直後(10/13~11/27)からの、酒井学騎手の成績を記します。
×15番人気16着 ドリームゼニス (室町S)
×12番人気13着 インバルコ (ブラジルC)
×15番人気18着 ホワイトピルグリム (カシオペアS)
×4番人気6着 マコトナワラタナ (京洛S)
○3番人気2着 ニホンピロアワーズ (みやこS)
×14番人気13着 エピカ(ファンタジーS)
×11番人気9着 ホワイトピルグリム(アンドロメダS)
○10番人気1着 ハクサンムーン(京阪杯)
成績=1-1-0-6 複勝率=25.0%(4回に1回) 複勝回収率=183円
全投資額=8万0000円 全回収額=14万7000円 収益=6万7000円
次に、2011年通算の成績(~11/27)です。
成績=2-3-6-15 複勝率=42.3%(5回に2回) 複勝回収率=454円
全投資額=26万0000円 全回収額=118万2000円 収益=92万2000円
※前回記事の数字に誤差がありましたので、訂正します。再度集計し直し、上記がこの時点での正しい数値です。
「マナブ馬券術」発表以後も、11/27の京阪杯で酒井学騎手騎乗のハクサンムーンが大穴をあけ、さらに収益が拡大する結果となりました。
しかし、残念ながら、ハクサンムーンの複勝馬券を、実馬券では購入することができず、
<机上の空論>と言われても仕方がありません・・・
そこで今回、なんとか実際の購入馬券で「マナブ馬券術」の、<狙いの正当性>を証明しようと、
「G1を除く」という定義上のルールを一旦保留し、
「G1も含む全てのOP以上特別戦(障害戦は除く)」で、酒井学騎手の騎乗レースでの馬券購入に挑戦しました。
12月2日。G1ジャパンカップダートで、酒井学騎手は、ニホンピロアワーズという馬に騎乗し、
6番人気1着。複勝配当は500円つきました。
もともと「G1を除く」というルールを付け加えた理由は、酒井学騎手が、厩舎・馬主の人脈に恵まれず、「いずれは」G1で活躍するだろうが、
現時点の人脈では、G2、G3レベルまでのレースでしか勝負できないだろう、という判断のもと加えたものです。
上記の10/13~11/27までの騎乗馬を見てもわかるように、酒井学騎手が乗れる馬は、OP特別戦でも単勝10番人気以下で、
オッズで言うと単勝オッズ100倍以上の、始めから勝負にならない馬しか回ってこない騎手なのです。
先週のジャパンカップダートというG1レースは、芝競馬が王道であり本流のJRAから見て、傍流のG1となるダート戦でした。
こうした傍流の重賞では、騎手で言うと、グロリアスノアの小林慎一郎騎手や、シルクメビウスの田中博康騎手などのG1はおろか、重賞ではあまり名前を聞かない、マイナー騎手が活躍し、
馬主で言うなら、社台系やサンデーレーシングなど、名門クラブや大物馬主ではなく、零細な個人馬主が活躍する傾向にあります。
今回、酒井学騎手が騎乗したのは、ニホンピロアワーズという、1世代に10頭以上所有することのない、零細個人馬主の小林百太郎氏所有の馬でした。
オールドファンなら「ニホンピロ」の冠と言えば「ニホンピロウイナー」を思い出すかもしれません。
小林氏は、約30年間の馬主キャリアの間に、G1クラスの馬を1頭か2頭だけは出したことがあるというレベルの、古参系零細個人馬主です。
前提条件として、傍流のG1レースだからこそ、酒井学騎手にはチャンスがあったと言えます。
【G1で穴馬を見つける方法】
少し、馬券戦術的に「知っておいたほうがいい知識」の話をご紹介します。
☆その1:「当年成績が超安定の馬は、G1で穴を出す」
ニホンピロアワーズの戦績は、画像の「A」の着順部分を見ると、
2012年以降、掲示板(5着以内)を外したことがない、安定した戦績の馬でした。よく見ると、その中には重賞を2回勝っています。
このような、当年成績が超安定のままG1に挑む馬は、G1でよく穴をあける傾向にあります。
1着回数が多い連勝馬などは、人気になってしまいます。また、G1レースで勝っている馬も、人気になってしまいます。こういう馬は、人気になって勝ち負けするタイプの馬です。
一方、G1などのトップクラス戦で穴馬券を演出する馬は、色々なパターンがありますが、そのうちの1つが「大崩れの無い馬」です。
いわゆる「クラスを問わず、相手なりに走るタイプ」は、G1のような厳しいラップのレースでも、相手なりに走り、激走する傾向にあります。
勝てる条件が揃ったレースで圧勝し、負ける条件が揃ったレースで大負けしてしまう馬よりも、
勝てる条件が揃ったレースで勝ちきれずともそこそこ走り、負ける条件が揃ったレースでも大負けしない馬のほうが、
オッズ的旨みを内包しながら、大一番で好走してくれることが多いのです。
マージャンでたとえればわかりやすいかと思います。
雀力のある、強い雀士の統計的傾向として、ビリ(4位)の回数が少ない点があります。
勝つ時は誰でも勝てますが、初心者ほど、ツキが弱い時に大負けしてしまい、勝ち分を全部吐き出してしまうのと同じ理屈で、
強い雀士も、強い馬も、「負けるタイミングで大きく負けない」のです。
野球でも同じです。リーグ優勝するようなチームは、僅差の1点差勝負のような試合で、勝率が高いチームに多いでしょう。勝負強さという言葉に変換できるかもしれません。
☆その2:「脚質が偏った馬は、人気薄で激走する」
ニホンピロアワーズの戦績は、画像の「B」の3コーナー位置取り順位を見ると、この馬は、3コーナー1~3番手で競馬をする事が多い馬です。
目安として、
「前5走内に3コーナー1~3番手の競馬が3回以上ある馬」を、自分は「逃げ番手系の馬」と呼んでいます。
逃げ馬、2番手集団(番手の馬と呼びます)でレースをすることが多い馬は、
実績・適性・能力・調子らのファクターよりも、「人気」の推移の影響を多大に受けやすい脚質です。
一方で、「前5走内に3コーナー10番手以降の後方競馬が3回以上ある馬」を、自分は「追込系の馬」と呼んでいます。この脚質も、人気の影響を多大に受けます。
こうした比較的固定され、且つ、偏った脚質の馬は、人気が急落すると穴を出します。
逆に、人気が急落して穴を出した実績のある馬は、人気が上昇すると、アテにならない馬になってしまいます。
競馬は1頭で走る「タイムトライアル」ではありません。「集団」で走り、相手と競争して勝たなければいけません。
なので「レースが動く瞬間」という局面があります。どの競馬場でも3コーナーから4コーナーにかけて発生するのですが、人気馬が動き始め、その影響を受けにくいのが、こうした偏った脚質の馬です。
年末の有馬記念などが最も有名ですが、このレースは、ハイペースにしろ、スローペースにしろ、
コース形態的に「レースが動く瞬間」がとてもわかりやすいレースです。
なので「逃げ番手系の馬」や「追込系の馬」の穴台頭が、他のG1レースに比べて顕著に出てきます。
ダイワスカーレットとアドマイヤモナークという馬で決まった年の有馬記念は、
逃げ馬と追込馬で決まり、真ん中に位置取った馬が、総崩れしたこともあります(この年は追込系の馬が大穴になりました)。
☆その3:「1~3番人気で連続推移していた馬が、今走4番人気以下で激走する」
G1で特に顕著な穴パターンの一例ですが、重賞レース全体に言える傾向です。
ニホンピロアワーズの戦績例でいうと、
ニホンピロアワーズは、名古屋大賞典から前走みやこSまで、7戦連続で3番人気以内の支持を得ていた馬でした。
それが、今回のジャパンカップダートでは、6番人気と人気が急落しました。
こうした、人気の買い支えが継続してあった馬が、前走で「何らかの要因」により、
今走で人気急落すると、反発して激走することが、重賞、とりわけG1レースでは異様に多いのです。
株やFXでたとえると、損切りした直後の局面に似ているかもしれません。
そして、このパターンで面白いのは、
「見切りをつけられたような人気急落」をした馬の、単勝や複勝のオッズは、配当が「○番人気の平均値」よりも、高いことが多いのです。
ニホンピロアワーズは単勝6番人気の馬でしたが、複勝配当が500円も付きました。
3着に穴馬が来たり、1番人気がコケたことも要因の一つですが、
レースによっては複勝配当が500円レベルの馬は、10番人気ぐらいにならないと、発生しないこともあります。6番人気にしては配当がオイシイ馬だった、となります。
馬券購入者の心理状況として、買いが入りやすいパターンというのがあって、
★当年1着歴が多い(連勝している)馬ほど、買いが入りやすい
(当年5勝=イジゲン、ローマンレジェンド)
★今回と同じレースで好走している馬ほど、買いが入りやすい
(同レース2連覇=トランセンド、1着1回2着1回=エスポワールシチー)
★今回と同じ距離コースの戦績がいい馬ほど、買いが入りやすい
(阪神ダート1800で3回以上複勝圏=トランセンド、ローマンレジェンド、エスポワールシチー)
★今回と同じ距離の戦績がいい馬ほど、買いが入りやすい
(JRAダート1800戦連対率80%以上=ローマンレジェンド、ミラクルレジェンド、トランセンド)
★前哨戦で勝っている馬ほど、買いが入りやすい
(ローマンレジェンド、イジゲン)
上記に該当する馬は、決して悪い材料ではないのですが、旨みが必要以上に少なくなっています。
ちなみに、今回のレースでは、奇跡的に上記該当馬は、全て4着以下に敗退しました。
ここからわかることは、上記条件は、好走要因との関連性は、馬券購入者が思っているほど、実は強くないという点です。
端的に言えば「買い要因≠好走要因」です。
もし、予想の組み立て過程において、上記の材料を評価対象として、ベースに多く組み込んでいる人は、根本的な所からの改革が必要かもしれません。
極端な話をすれば、サイコロを振って馬券を買ったほうが、儲かる可能性もあります。
改革の取っ掛かりとして、今回長々と述べさせていただいた「人気」というファクターを採用するのも、方法の1つかもしれません。
「買い要因」として挙げたパターンは、「みんなが競馬新聞を広げた時に思いつく評価方法」です。
変動オッズで行われる競馬は、
「みんなが思いつかない評価方法」を編み出す必要があります。
時間があるようなら、自分のオリジナルな評価方法を考案してみると、
今よりも、さらに競馬が楽しくなるかもしれません。